寝る前の食事は睡眠の質に影響大!就寝2時間前までに済ませよう
- 残業で帰宅が遅く、仕事帰りにラーメンを食べて帰る
- 夕食の後にお腹が空いて、夜食を食べる
- いつも夕食の時間が遅い
こんな生活をしているあなたは、毎日疲れていませんか?
実は、食後消化が落ち着くには2〜3時間かかるため、寝る直前に食事を取ると、寝ている間に消化活動が行われ、体が十分に休まらないのです。
本記事では寝る前の食事が睡眠へ与える影響と、睡眠に影響しにくい食事の方法などをご紹介します。
寝る前の食事が睡眠の質を下げる理由とは?
寝る前に食事を取ることは、その日の睡眠の質を下げるだけでなく、翌日にも影響し、毎日の睡眠リズムが整いにくくなる恐れがあります。
そのメカニズムについて見ていきましょう。
食べたものをある程度消化するには2〜3時間かかるため、寝る前に食事を取ると睡眠中に消化活動が活発になります。すると、寝ている間も脳や身体が働いている状態となり、十分に休まらず、眠りが浅くなってしまうのです。
また、寝る前の食事は睡眠の質の低下だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。夜間は食べ物を消化・吸収する酵素が減るため、消化が間に合わず、翌朝に胃がもたれやすくなるのです。
胃がもたれていると朝食が取れなくなりますが、朝食は交感神経を刺激し体を目覚めさせるほか、体内時計をリセットし、睡眠のリズムを調整するという大切な役割を担っています。
朝食を抜くことで、その日の就寝時間が遅れるといった悪循環でどんどん睡眠の質が下がっていくのです。
さらに、朝食を取らないことで低血糖状態が続き、昼食時に血糖値の急上昇とそれを下げるためのインスリンが大量に分泌されるため、体に負担をかけてしまいます。
睡眠に影響しにくい寝る前の食事の取り方
どうしても寝る前に食事を取る必要がある際は、以下のポイントを押さえることで睡眠の質への影響を減らせます。
食事は寝る2時間前までに済ませる
食材によって消化時間は異なり、ある程度消化が落ち着くまでには2〜3時間程度かかるとされ、特に脂質の多い肉や揚げ物、食物繊維が豊富な野菜、海藻などはさらに時間がかかります。できれば寝る3時間前、遅くても2時間前には夕食を終えるよう心がけましょう。
食事の際は、よく噛んで食べることもポイントです。消化を促すだけでなく、満腹中枢を刺激し、食後の空腹を防ぎます。夕食後にお腹が空いて我慢できず、つい間食してしまう人は試してみてください。
どうしても寝る2時間前以降に食べる必要がある場合は、消化の良いものを食べましょう。果物はりんごやバナナなど、消化しやすいものであれば30分ほどで消化されるので、胃腸への負担も減らせます。
また、タンパク質は実は消化が良く、なかでも脂肪分の少ない白身魚やささみ、ヒレ肉や豆腐はおすすめです。
卵では、温泉卵が一番消化は良いものの、半熟卵も比較的に消化がいいです。生卵や固ゆで卵、しっかり火を通した卵焼きや目玉焼きは、消化が悪いので避けましょう。
ご飯やうどんなどの炭水化物は、実は消化が悪いので、寝る前は控えることをおすすめします。
寝る前の水分補給は、睡眠に影響しにくいものを選ぶ
寝る前の水分補給では、カフェインとアルコールを避けることが大切です。
カフェインには覚醒作用があるため、寝付きを悪くするほか、寝ている間も眠りが浅くなりやすいです。高齢者は摂取後4〜5時間、若い人でも1〜2時間は体内に残るので、夜はコーヒーや紅茶、緑茶などは避けましょう。
お酒は眠気を誘いますが、アルコールが抜けたタイミングで目が覚めてしまう、あるいは利尿作用で夜中に尿意で目覚めやすくなることもあります。
寝る前の水分補給は、リラックス効果のあるハーブティーやホットミルクなどがおすすめです。
寝る前の食事が睡眠の質以外にも与える影響
実は、寝る前の食事は睡眠の質を下げるだけでなく、ほかにもさまざまな健康への悪影響があります。
体重増加の原因になる
ある研究では、夜中に食事をしたら脂肪の合成が高まり太りやすい、夜遅い食事(※夜食を含む)を摂取する者は肥満の割合が高いという結果が出ています。
寝る前に食事を取ると血中のブドウ糖や中性脂肪が増え、「コルチゾール」というホルモンの分泌を抑制します。
コルチゾールには寝ている間に脂肪を燃焼させる働きがあるため、分泌が減ることで脂肪を燃焼しにくくなます。その結果、体内に中性脂肪として蓄積され、体重や体脂肪率の増加につながるのです。
また、夜間は日中よりも活動量が減って消費カロリーが少ないため、寝る前の食事は体重や体脂肪率を増加させて、肥満の原因となり得ます。運動や糖質制限など、ダイエットをしてもなかなか痩せない人は、昼間はしっかり食べ、夜は早めに軽めの食事を取ることをしましょう。
肌荒れを引き起こすおそれがある
睡眠時に分泌される成長ホルモンには、肌のターンオーバーを促進し、日中に受けた紫外線のダメージを修復したり、ツヤを良くしてみずみずしくハリのある肌を保ったりする働きがあります。
成長ホルモンは入眠から2〜3時間後の眠りが深くなるタイミングで最も分泌されますが、その時間帯に消化活動が行われていると、眠りが浅くなって成長ホルモンの分泌を妨げ、結果として肌荒れを引き起こしてしまうのです。
寝る前の食事を控えて睡眠の質を上げ、美容と健康を増進しよう
寝る前に食事を取ることは睡眠の質を下げるだけでなく、体重増加や肌荒れなど、美容面・健康面でもデメリットがたくさんあります。
夜は日中ほどエネルギーを必要としないので、夕食は就寝3時間前までに軽く済ませ、その後に小腹が空いた場合や夕食の時間が遅くなってしまった日は、消化の良いものを少量にとどめましょう。
また、質の良い睡眠のためには、食事の取り方にプラスして眠りやすい睡眠環境を作ることも大切です。枕やマットレスなど、自分の体に合う快適な寝具を選ぶことをおすすめします。
ぜひ生活習慣と環境を見直し、健康で快適な日々を手に入れましょう。
ただやわらかいだけじゃない。身体への負担も軽減する、まるでマシュマロの上で眠るようなマットレスです。
【監修者】中島由美
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。
皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年にクリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。
現在は内科院長として勤務。