安眠効果を得られるツボはどこにある?指圧するときのポイント
なかなか寝付けない、夜中に何度も目を覚ます、熟睡できないなど、不眠の症状が起こる原因は、次のようにさまざまあります。
- 悩みごとやイライラなどの精神的なこと
- 頭痛や冷え性、体温が高いなど身体的なこと
- 部屋の明るさや気温、湿度など環境的なこと
ここでは精神的、身体的な要因が不眠の原因になっている人へ、安眠効果の得られるツボをご紹介します。
東洋医学では人体には気と血液の通り道である経絡が張り巡らされており、ツボはその経絡上にある気の出入り口と言われています。
ツボを押すことで、全身の筋肉・神経・血管・リンパ節・内臓などの器官の働きを促進させる効果が期待でき、それによってストレスや肩こり、頭痛解消などの効果が得られるため、快眠に役立ちます。
また、ツボ押しは時間も場所も問わず、道具いらずで、布団やベッドに入ったまま簡単に行うことができる点も大きなメリットです。
不眠状態が続くと仕事など、普段の生活のパフォーマンスが下がるだけでなく、病気の原因にもなるので、ぜひ今日から実践してみましょう。
安眠効果を期待できる頭部のツボ
安眠できない原因は、ストレスや疲労などです。
頭部にはさまざまなツボがありますが、ここでは精神的な疲労回復やリラックス効果のあるツボをご紹介します。
ぐっすり眠れないとお悩みの方は、ぜひお試しください。
百会(ひゃくえ)
百会は押すとリラックス効果を得られ、ストレスを緩和してくれるツボで、心配や緊張、精神的な疲労で寝付けないタイプの人におすすめです。
ツボの場所は、右耳と左耳、鼻と後頭部を頭頂部に向けて線で結んだときに交わる場所にあります。
頭頂部を押すと少し柔らかい部分があると思いますので、頭を手のひらで包むようにしながら、左右の中指の指先で1分間ほど押し続けてみてください。
また、百会の周囲には四神聡(ししんそう)というツボがあり、押して刺激すると血流や自律神経の不調などの改善が期待できます。一緒に押すといいでしょう。
完骨(かんこつ)
完骨というツボは、自律神経を整えてリラックスする効果と、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となるセロトニンの分泌を安定させる効果があります。
眠気を誘うホルモンと心の安定で安眠しやすくなるので、ぜひ押してみましょう。
ツボの位置は、耳の後ろの出っ張った骨の下側のくぼみにあります。この部分を親指でゆっくり上げるように押してください。
安眠(あんみん)
安眠というツボは、名前のごとく押すことで心身がリラックスし、自然と眠りにつきやすくなるツボです。
ツボの位置は、耳の後ろにある骨から指幅1本分下のところにあります。
両手の親指を左右両側のツボにそれぞれ当てて、ぐりぐりと押します。これを5回繰り返してください。
印堂(いんどう)
印堂というツボは、頭痛やイライラの解消に効果があります。
頭が痛くて眠れない、ストレスで寝付きが悪いときに押すと、入眠しやすくなります。
ツボの位置は、左右の眉毛の内側を結んだ線のちょうど真ん中。「第三の目」と言われるあたりと言ったほうが、分かりやすいでしょうか。
ツボの押し方は、人差し指か中指の腹で気持ち良い程度の圧力で、10秒ほどかけてゆっくり押して離します。
これを5回繰り返してください。
天柱(てんちゅう)
天柱は、心身をリラックスさせる、首のこりを解消するツボです。首や肩がこって眠れない不眠タイプの人に効果的です。
ツボの位置は、首の後ろの髪の生え際にある太い2本の筋の外側にあります。親指で下から押し上げるように刺激してください。
安眠効果を期待できる手足のツボ
頭部に加えて、手足にあるツボもご紹介します。
こちらのツボも安眠に効果的なので、併せて押してみてください。
労宮(ろうきゅう)
労宮は、血流促進や緊張を緩和して、リラックスさせる効果を得られるツボです。緊張したときに手のひらに「人」という字を書くのをご存じかと思いますが、あれは労宮を刺激して心を静める動作と言われています。
ツボの位置は手のひらの中心あたり。手を握ったときに、人差し指と中指の先端の間にあります。
押し方は親指の腹でぐっと5秒間ほど押し込み、ゆっくり放す。これを両手5回ずつ行います。労宮を押して痛む場合は、精神疲労が蓄積しているおそれがあります。
失眠(しつみん)
失眠は、興奮を抑えて気持ちを落ち着かせ、眠気を誘う効果があります。
寝る前までスマホやテレビを見ていたとき、目が冴えて眠れないときに押してください。
ツボの位置は足の裏側。かかと中央の少しへこんだところにあります。
押し方は椅子に座って片方の足の足首を持ち、反対側の手で握りこぶしを作って軽く叩く、親指でマッサージをする、かかとをゆっくり布団にこすりつけて刺激するなどが効果的です。
湧泉(ゆうせん)
湧泉は血行改善、疲労回復効果があります。
足や腰など下半身の疲れを取る効果もあるので、立ち仕事をしている人にもおすすめです。
ツボの位置は足の裏。足の指を内側に曲げたとき、上部にできるくぼみのあたりにあります。
3分間ほど、ゆっくりと親指で指圧してください。
合谷(ごうこく)
合谷は肩や首のコリ、ストレスで乱れた自律神経の機能を正常に戻す働きがあります。
ツボの位置は、手の甲側。親指と人さし指の骨の分かれ目のやや人さし指側にあります。
親指をツボに当てて気持ちいいと感じるくらいの強さで、30回ほど押してください。これを両手それぞれで行います。
神門(しんもん)
神門は精神的な緊張をほぐし、イライラや不安感を和らげてくれるため、リラックス効果で眠気を誘うことができます。
ツボの位置は、手のひらの内側。小指の下のほう、手のひらと手首の付け根あたりにあります。
押し方は反対の手の親指を神門に当て、残りの指で手首をつかむように持ちます。気持ちいいと感じる強さで5秒間ほど押さえます。これを両方、5回ずつ繰り返します。
安眠のためにツボ押しするときのポイント
安眠に効果のある、頭部と手足のツボを紹介しました。
それぞれに押し方も紹介していますが、そのときに意識したほうがいいことも併せて紹介します。
より効果を高めるためにも、ぜひ意識して押してみてください。
優しく指圧する
ツボを押す際の力加減は、強すぎるのはNG。
強く押すと脳が覚醒してしまい、目が冴えて寝付きが悪くなるおそれがあるので、気持ち良いと感じる程度の力加減で押しましょう。
深呼吸しながらツボ押しする
深呼吸しながらツボを押すことで、指圧の効果を高められます。
肺の下にある横隔膜には自律神経が密集しており、深呼吸でゆっくり上下運動させることで、交感神経と副交感神経のバランスが改善し、心身ともにリラックスするのです。
ツボを押す際はぜひ、呼吸を意識しながら行いましょう。
それと、入眠前に行うと眠りにつきやすくなる呼吸法も併せてご紹介します。ぜひ、布団に入る際にやってみてください。
- 布団やベッドに仰向けで寝る
- 肩の力を抜き、両手をお腹の上に置く
- お腹が膨らむように、3秒間で息を吸い込む
- お腹がへこむように、6秒間で息を吐き切る
ツボ押しを習慣化し、安眠を手に入れよう
睡眠不足で疲れが取れない、夜中に目が覚めるなど不眠症で悩んでいる人へ、安眠に効果のあるツボとその押し方を紹介しました。
ツボ押しは道具も必要なく手軽に行えるので、ぜひ、就寝前の習慣に取り入れてみてください。
また、より良い眠りのためにはツボ押しと併せて睡眠環境の改善も行うといいでしょう。
睡眠環境の改善とは、自分に合った寝具選びです。
いくら心身がリラックスし、疲れが取れたとしても、寝具が身体に合っていなければ身体も脳もゆっくり休めることができません。
ぜひ、安眠できるように寝具も見直してみましょう。
睡眠脳波測定により、LIMNEのマットレスでは脳が体を回復しようと指示するときに出るとされているδ(デルタ)波が、非常に多く出ていると確認できました。