睡眠時の口呼吸が引き起こす健康上のリスク〜鼻呼吸を促すには?〜

睡眠時の口呼吸が引き起こす健康上のリスク〜鼻呼吸を促すには?〜

朝起きたら口の中が乾燥している、のどが痛くなっているということはありませんか?

睡眠時は意識して口を閉じることができないので、知らず知らずのうちに口呼吸になりがちです。

実は、同じ呼吸でも口と鼻ではまったく違うもので、鼻呼吸のほうがあらゆる面で健康に良いとされています。

この記事では口呼吸のデメリットや、寝ている間に鼻呼吸を促すための方法について解説していきます。

口呼吸の基礎知識

まずは、「口呼吸」と「鼻呼吸」の違いを見ていきましょう。

口呼吸とは?

口呼吸とはその名のとおり、鼻ではなく口を使って呼吸することです。本来人間は鼻で呼吸するようにできています。赤ちゃんは鼻呼吸でないとおっぱいを飲めないので、生まれたときは誰しも鼻呼吸をしているのです。

言葉を発するようになったり、鼻づまりなどで鼻呼吸がしにくくなったりすると、無意識に口呼吸が行われます。

鼻呼吸との違い

口呼吸 睡眠1

口呼吸と鼻呼吸は、単に空気の通る場所が違うだけではありません。実は、鼻は加湿器・空気清浄機・エアコンの役割を備えた高性能な器官で、空気を体にとって良い状態にして取り込んでくれるのです。

鼻の中にある鼻水は空気が通る際に適度な湿気を与え、微細な線毛と粘液層でホコリなどの異物をキャッチ。また、口呼吸では冷たい空気がそのまま肺に届けられるのに対し、鼻から入った空気は、35〜37℃まで温められてから体に取り込まれます。

睡眠時の口呼吸が引き起こす、健康面でのデメリット

起きている間は、口呼吸になってしまっても意識的に口を閉じて鼻呼吸に切り替えることができます。しかし、睡眠時は気付かないので、長い時間口呼吸をしがちです。

では、睡眠時の口呼吸は健康にどのような悪影響があるのでしょうか?

虫歯や歯周病のリスクが増える

口呼吸 睡眠2

口呼吸により口の中が乾燥して唾液の量が少なくなると、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖しやすくなります。

そのほかに、歯に汚れがついて黄ばみを引き起こしやすくなったり、口臭の原因になったりする可能性もあるのです。

風邪を引きやすくなる

口呼吸では鼻のフィルターを通さずに空気を吸い込むため、本来除去されるべきホコリや細菌、ウイルスなどの異物を取り込みやすくなります。すると風邪やインフルエンザなどの感染症や、アレルギー性鼻炎を引き起こしやすくなるのです。

また、口呼吸で吸い込んだ空気は扁桃を刺激します。扁桃が炎症を起こすと免疫が低下し、アトピーや湿疹などアレルギー症状の原因となることも。

睡眠の質が下がる

口呼吸は睡眠時に舌の付け根が落ち込むことで上気道を閉塞させ、空気が通りにくくなるため、いびきをかきやすくなります。

悪化すると睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こし、睡眠の質を大幅に下げかねません。

見た目の老化を引き起こしやすい

口呼吸は美容にとっても大敵。実は、口呼吸を放置していると口の周りの筋肉が常に緩んだ状態になるのです。表情筋や口輪筋が緩むと目元・口元にシワができやすくなり、老けて見えやすくなります。

歯並びが悪くなりやすい

口呼吸が癖になると舌が正常な位置より下がる傾向があり、口腔内の圧力のバランスが崩れ、歯並びが乱れやすくなります。特に成長期の子どもの口呼吸は、出っ歯や受け口などの問題を引き起こしやすいので要注意です。

唇が荒れやすい

口呼吸をする際に息で唇を乾かしてしまうため、唇が乾燥して荒れやすくなります。唇は粘膜なので、とても乾燥しやすいのです。

肥満の原因となる

口呼吸では十分に酸素が取り込まれず、脂肪の燃焼を妨げます。また、血流が悪くなり、内臓機能が低下することで代謝が落ちるという面からも、体を痩せにくくしてしまうのです。

睡眠時の口呼吸対策

口呼吸 睡眠4

起きているときは意識的に口を閉じることができますが、就寝時はそうもいきません。ただ、睡眠中に口呼吸になりにくくする対策を取ることで、鼻呼吸を促すことは可能です。

鼻づまりを解消する

鼻がつまっていると鼻で息ができなくなるので、自然と口呼吸になってしまいます。慢性的に鼻がつまっている場合、副鼻腔炎などの病気が原因となっているケースもあるので、耳鼻咽喉科で相談し、必要であれば治療を受けましょう。

一時的な鼻づまりは、鼻を温めることで改善しやすくなります。熱いお湯に浸したタオルやカイロなどを鼻に当てて、様子を見てみましょう。

鼻呼吸の癖をつける

起きているときに、鼻呼吸の癖をつけておくことも効果的です。

人差し指で片方の小鼻を押さえ、反対側の鼻の穴で深呼吸するのを、左右交互に5セットほど繰り返してみましょう。

口の筋肉を鍛える

口まわりの筋力低下も、口が開く原因に。その対策に、顔の筋トレがあります。

おすすめは「あいうべ体操」。大きく口を開けて「あー」、横に開いて「いー」、口を前に強く突き出して「うー」、舌を出して「べー」と動かしてあげます。1日30セットを目安に、繰り返し行いましょう。

寝るときの姿勢を変える

仰向けよりも横向きで寝ると、上気道の閉塞を軽減できる場合があります。横向きでは寝にくいという人は、抱き枕などを使って寝やすいように工夫してみると良いでしょう。

対策グッズを使用する

それでもどうしても口が開いてしまうという人は、口をふさぐための対策グッズを活用しましょう。

寝るときに口呼吸防止テープを貼り、口が開かないようにすれば自然と鼻呼吸になります。

テープだとうっとうしくて眠れないという人には、加湿機能のあるマスクがおすすめ。テープのように完全に口を閉じることはできませんが、マスク内部の湿度を高く保つので、口呼吸してしまった場合ものどの乾燥を防ぐことが可能です。

口呼吸を防いで質の良い睡眠を取り、健康を維持しよう

口呼吸 睡眠3

同じ呼吸でも、口呼吸と鼻呼吸はまったく別物だということがお分かりいただけたでしょうか?

口呼吸は百害あって一利なし。口呼吸になりがちな人は、今すぐに鼻呼吸に切り替えましょう。呼吸の仕方一つで、あらゆる健康トラブルを防ぐことができます。

寝ている間は意識的に口を閉じることができないので、上記でご紹介した対処方法やグッズも必要に応じて活用し、普段から鼻呼吸しやすい状態にしてみてください。


星子尚美先生

【監修者】星子尚美
東京女子医科大学医学部、熊本大学医学部大学院卒業。星子クリニック院長。
全人的医療を目指した自由診療のみのクリニックを開業。がん、生活習慣病などの難病に苦しむ患者の治療と予防医学を行っている。
放射線科専門医、日本臨床抗老化医学会認定医、高濃度ビタミン点滴およびキレーション療法専門医、メディカルアロマ専門医などの幅広い資格を取得。
東久邇宮国際文化褒賞授与(予防医学に貢献したなど)。
著書に『「平熱37℃」で病気知らずの体をつくる』『腸のことだけ考える』など。



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