睡眠リズムの乱は肥満やうつ病、死亡リスクが上昇!リズムが乱れる原因とは?

睡眠リズムの乱は肥満やうつ病、死亡リスクが上昇!リズムが乱れる原因とは?

規則正しい生活を送ることは、健康にとって欠かせません。人間の体には体内時計と呼ばれるシステムがあり、それが正しく動くことで体内リズムを保ち、眠くなる時間やお腹が空く時間を調整しています。

睡眠のリズムが乱れるとこの体内時計に狂いが生じるため、全体的な生体リズムを崩すことにつながります。

ここでは、睡眠のリズムが乱れる原因やその影響について紹介します。普段無意識に行っていることが睡眠の質を下げる原因になっていないか、見直してみましょう。

睡眠に関わる体内のリズムの主な種類

睡眠 リズム1

人間の身体には目覚めてから一定の時間が経過すると、脳から睡眠を促すホルモンが分泌され、大脳皮質の活動が弱まり眠りに入るというメカニズムが備わっています。

ここでは、その睡眠に関わる体内リズムの代表的なものを紹介します。

睡眠サイクル

睡眠中は「ノンレム睡眠」「レム睡眠」という、2種類の睡眠を周期的に繰り返しています。

ノンレム睡眠はいわゆる深い眠りで、脳と体の両方が休息状態となります。成長ホルモン分泌もノンレム睡眠中に行われるため、心身の疲労回復や細胞の修復には不可欠です。

一方、レム睡眠は浅い眠りで、脳は動いており記憶の定着・整理が行われます。脳は活発に活動していますが、筋肉の緊張は取れてゆるんでいる状態です。

睡眠段階は浅いほうから1〜4の4つに分けられ、入眠すると一気に一番深い4のノンレム睡眠に入ります。その後はだんだん浅くなって1のレム睡眠へと移行し、また深い眠りに移り・・・という流れを繰り返しています。

入眠後3時間は段階3、4の深い眠りが多く、その後の時間帯は一番深くて1または2までしか到達せず、朝になるにつれ徐々に眠りが浅くなるといったふうに変化していきます。

それぞれの睡眠の1サイクルは90分で、ノンレム睡眠が60〜80分、レム睡眠が10〜30分という内訳です。一般的に就寝から起床までに、これらを3〜5サイクル繰り返すと言われています。

サーカディアンリズム(概日リズム)

人間の体内時計は「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれ、これはぴったり24時間ではなく、1日約25時間となっています。地球の自転から産出される1日24時間とのズレが生じるため、サーカディアンリズムを24時間でリセットする必要があります。

リセットするには、朝起きたら太陽光を浴びることが有効です。リセットしないと体内時計が徐々に後ろにズレて夜型になっていき、睡眠リズムの乱れにつながります。

夜更かしや徹夜が続くことで朝起きられなくなったり、就寝時間が早すぎて夜中に目が覚めたりしてしまうといった、サーカディアンリズムが狂うことで起こる症状を「概日リズム睡眠障害」と呼びます。

この状態に陥ると不眠だけでなく、精神疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病につながることもあるので、注意が必要です。

睡眠のリズムが乱れる原因

日ごろ無意識に行っている生活習慣が、睡眠のリズムを乱していることも多々あります。あなたは以下のことに心当たりはありませんか?

就寝中も寝室の照明をつけっぱなし

睡眠 リズム2

体内時計には「同調因子」と呼ばれるものがあり、外の環境と体内のリズムを調整して体内時計の時刻合わせを担っています。

光はその同調因子の1つであり、就寝中にも強い光を浴びていると、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を阻害し、体内時計がズレて睡眠のリズムが狂いやすくなるのです。

寝るときに真っ暗だと怖いから・・・ 寝落ちして・・・ と夜間も電気をつけたまま寝ている人は要注意。明るい部屋は、睡眠中の体にとって決して快適な環境ではないのです。

朝食を抜く

光と同様に食事も同調因子として働き、朝食をとることで体内時計をリセットするほか、血圧を上げて体を目覚めさせる効果もあります。

朝食を抜くと体が朝になったことを認識できず、眠気が取れないまま活動を始めることになってしまうのです。

また、朝食を抜くと体温が上昇しないため、交感神経(覚醒)と副交感神経(休息)の切り替えもしにくく、睡眠と覚醒のリズムが狂いやすくなります。

休日に寝だめする

普段の睡眠不足を補うため、休日に寝溜めする人もいますが、これも睡眠リズムを狂わせる要因となります。

起床時間や就寝時間が平日と休日で大幅に違い、休み明けにだるさや疲れを感じたことはないですか?

こういった心身の不調は「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれます。

日によって夜勤のある不規則な仕事をしている人は、特にこの状態に陥りやすいです。夜勤のみの人は、明け方に帰宅して日中寝てまた夜出勤・・・というリズムを徹底すれば良いですが、夜勤明けが休日で、その翌日が日勤の場合は要注意。

夜勤明けの日に昼間寝てしまうと昼夜逆転になり、その日の夜よく眠れないまま、翌日は朝起きて日勤をしなければならず、頭が「ボーッ」としたり、疲れやすくなったりして、仕事にも支障が出てきます。

睡眠のリズムの乱れが引き起こす影響

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睡眠リズムの乱れは日中の眠気やだるさだけでなく、長期的に見ると睡眠障害を引き起こし、病気につながることもあります。

肥満

睡眠のリズムが乱れて不眠・睡眠不足になると、肥満のリスクが高まります。これは内分泌腺の調整機能が崩れて食欲が増進し、食事量が増えやすくなり、代謝も低下して体脂肪の分解が低下するためです。

インシュリンの働きも悪くなるため、糖尿病も起こしやすくなります。

うつ病

睡眠リズムの崩れは、慢性的な眠気による集中力の低下やストレスの蓄積、倦怠感、イライラといった症状にもつながります。

特に睡眠時間が極端に長すぎる、短すぎる場合はうつ病になる可能性も。

死亡リスクの上昇

睡眠と死亡率の相関も指摘されており、一般的に7時間前後の睡眠を取っている人のほうが、長寿率が高いとされています。

詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、睡眠不足だけでなく、寝過ぎの場合も死亡リスクが上昇します。

睡眠のリズムを整えて健康を維持し、人生の質を上げよう

睡眠 リズム4

睡眠のリズムを整えることは、心と体の疲れを癒し、日々のパフォーマンスを上げるためにとても大切なことです。

それだけでなく、長期的には生活習慣病を予防し、人生の質そのものを上げることにもつながります。

いつも疲れている、気分が落ち込むという自覚のある方は、毎日規則正しい時間に起床・就寝するなど、睡眠リズムの改善に取り組んでみてください。


夏山元伸先生

【監修者】夏山元伸
1979年東京大学医学部卒業、同附属病院などを経て1990年より関東労災病院勤務。
2001年に同整形外科部長。
2013年から島脳神経外科整形外科医院副院長、整形外科部長、内視鏡・腰痛センター長。
著書『ササッとわかる「腰痛」にならない生活、治す生活』(講談社)など。



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