ストレートネックを防ぐ枕とは?選ぶ際のポイントと正しい使用方法
ストレートネックは前かがみの姿勢を続けたり、睡眠時に合っていない枕を使ったりすることで、本来正常な頚椎(首の骨)のカーブが失われて、まっすぐになってしまう状態を言います。
ストレートネックになると首回りの神経や筋肉に負担がかかるだけでなく、それ以外にも身体のさまざまな部分に不調が表れます。
- スマホを操作している時間が長い
- デスクワークで1日中パソコンを見ている
- 睡眠時に合っていない枕を使っている
このような生活習慣を送っており、首や肩、腰に痛みを感じる、不眠、寝違え、いびきなどの自覚症状がある人は、ストレートネックになっているかもしれません。
ここではストレートネックの基本的な知識と、原因の1つである枕が合っているかどうかのチェックポイント、ストレートネックの予防のための正しい枕の使い方を紹介します。
ストレートネックの基礎知識
ストレートネックとは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
以下では、ストレートネックの定義や首のチェック方法、主な原因を解説します。
ストレートネックとは?
人間の頚椎は椎骨(ついこつ)と呼ばれる7つの小さな骨から構成されており、これらは本来ゆるやかにS字カーブを描いています。
ところが、何らかの原因でそのカーブが失われてまっすぐになってしまうことがあり、これがストレートネックと呼ばれる状態です。
ストレートネックの弊害としては、肩こり、首こり、背中の張り、腰痛、頭痛、眼精疲労、めまい、吐き気、不眠、手足のしびれ、寝違え、いびきなどがあります。
実際にこういった症状を発症していなくても、「ちょっと首や肩に違和感があるな」という場合はストレートネックになっているかもしれません。
ストレートネックは、悪化すると咳をしただけでも首に痛みが走るようになったり、頚椎椎間板ヘルニアになったりすることもあるので、油断は禁物です。
ストレートネックのチェック方法
自分がストレートネックかどうかは家で簡単にチェックできるので、さっそく一緒にやってみましょう。
まず、壁に背中を向けて立ち、かかと・お尻・肩甲骨を壁に付けます。
このとき後頭部が壁に付かない場合や、意識しないと付かない場合はストレートネックの可能性が高いです。
ただし、これはあくまで簡易的なチェック方法なので、もしやってみてストレートネックの可能性があり、正確な診断を受けたい場合には病院のレントゲン検査を受けましょう。
ストレートネックになる原因
ストレートネックの原因はさまざまですが、あなたが日ごろ何気なくしている動作が実は大きく影響しているかもしれません。
【長時間前かがみの姿勢を続けている】
スマホを操作するときは、うつむく姿勢になりがち。そうすると首が前傾してカーブが失われ、ストレートネックになりやすいです。
うつむく角度が大きくなるほど首への負担が増え、60度の角度でうつむくと、何と体重の約半分もの重さが首にかかるとも言われています。
スマホは食事中や電車・バスでの移動中にも気軽に操作できるので、首に負担がかかる時間が多く、ストレートネックの主な原因となっているのです。
このことより、ストレートネックは別名「スマホ首」とも呼ばれます。
また、スマホ以外にもデスクワークでのパソコン作業やゲーム、読書時も要注意。猫背になるだけでなく、長時間首に負担のかかる姿勢を取り続けるので、ストレートネックを引き起こしやすいのです。
【枕が合っていない】
そして、意外と見落としがちなのが枕。あなたは自分に合った枕を使っていますか?合わない枕を使うことも、ストレートネックの原因になりうるのです。
枕を選ぶときに重要なポイントは「高さ」と「硬さ」。
枕が高すぎたり、硬すぎたりするとあごを引くような姿勢になるため、通常ゆるやかに湾曲している頚椎がまっすぐになり、ストレートネックを引き起こしやすいのです。
逆に低すぎる場合、ストレートネックにはならないものの、首への負担が大きく、肩こりや首こりの原因になります。
柔らかすぎる枕では、後頭部が沈み込みがちで安定せず、これもやはり首に負担がかかります。
ストレートネックを防ぐ枕のチェックポイント
それでは、どのような枕を使えばストレートネックを予防できるのでしょうか。
ここでは、首に負担のかからない枕の選び方を解説します。
自分にとって理想的な寝姿勢を実現できるか
仰向けで寝る際は、枕を使って頚椎が本来のS字カーブを保てるよう矯正することが重要です。
理想的な寝姿勢は、肩から頭までの傾斜角度が布団から10〜15度になった状態。この姿勢で寝ると、肩と首の筋肉がリラックスしやすいのです。
また、顔が前方に5度ほど傾いた状態にすると気道が充分に確保でき、睡眠中に呼吸しやすくなります。
熟睡できず夜中に目覚めてしまう人、睡眠時無呼吸症候群の症状がある人は、合わない枕を使っている可能性が高いです。
ただし、体型によっては顔が前方に傾かないほうが呼吸をしやすい場合もあります。
理想の寝姿勢は一人ひとり異なるので、一般的に良いと言われている枕でも、人によって合う、合わないがあるのです。
あなたの体格や頭の形に合う高さ・硬さの枕を探し、購入前には必ず圧迫感や違和感がないか、自分の身体のサイズに合うかを確かめてから購入しましょう。
寝返りがしやすいか
睡眠時は20〜30回ほど寝返りを打つと言われています。
寝返り時には顔が横向きになるので、横を向いても首のあたりに違和感がないかどうかをチェックしましょう。
横向きに寝たときに、頚椎と布団が水平になる枕が理想です。
高さや大きさの合わない枕を使うと寝返りしにくくなります。寝返りが打てないと体が充分動かないために熟睡できず、寝起きに疲れが溜まっていることも。
ストレートネックの予防はもちろん、快眠のためにも寝返りがしやすい使用感の良い枕を使いましょう。
ストレートネック予防に役立つ、正しい枕の使い方
せっかく自分に合う枕を買っても、使い方が間違っていると逆効果になってしまうこともあります。
ここではストレートネックの予防に役立つ、正しい枕の使い方をご紹介します。
枕を肩口まで当てる
まず、枕の下端を肩口(肩の先の方)に当てます。肩と枕の間にすき間ができると首に大きな負担がかかり、ストレートネックの原因になりやすいので注意しましょう。
どうしても隙間ができてしまう場合、パイプのように巻いたバスタオルを挟んで、首枕のように埋めてあげるとフィットします。
首の部分がサポートされていると、寝ている間にストレッチするように自然に首の筋肉を伸ばすことができます。
高さが合わないときは調整する
枕は、高すぎても低すぎても頚椎に負担がかかります。新しい枕を買わなくても、タオルを使って簡単に調節できるのでぜひ試してみましょう。
【枕を高いと感じる場合】
枕が高いと感じる場合、肩の下にタオルを敷くことで身体の位置を高くし、相対的に枕を低くすればOK。
商品の構造によっては中材を取り出せるので、その場合はちょうど良い高さになるよう減らして使用するのがおすすめです。
【枕を低いと感じる場合】
枕が低い場合は、タオルを重ねて枕の上に置けばOK。タオルの折り方や枚数で調整しましょう。
タオルを乗せるだけだと、寝ている間にズレたり、落ちたりしてしまう可能性があるので、タオルの上から枕カバーをかけたり、バスタオルで全体をくるんだりするのがおすすめです。
自分に合った枕を正しく使って、ストレートネックを予防&改善しよう
ストレートネックの基本的な知識と原因の1つである、枕について紹介しました。
スマホやパソコンを操作するときの姿勢はある程度自分で意識することができるものの、寝ているときの姿勢を正常に保つには、枕を効果的に活用するほかありません。
まずは、今使っている枕は首に負担がかかっていないか、寝返りは打ちやすいか確認してみましょう。
もし自分に合っていない場合は、理想の寝姿勢になるオーダーメイド枕を購入してみる、タオルを使って自分の身体に合うように調整するという方法もあります。
毎日、数時間は必要な睡眠。そのときにストレートネック対策ができる枕は、あなたの健康に必要不可欠です。
ぜひ、今日から見直してみましょう!
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