ストレスで眠れないときはどうすればいい?すぐできる改善方法をピックアップ!

ストレスで眠れないときはどうすればいい?すぐできる改善方法をピックアップ!

不眠は今や国民病と言えるもので、平成30年に実施された厚生労働省の調査(※)によると、日本人の21.7%が「睡眠で休養が十分に取れていない」と回答しており、その割合は調査を開始して以来、年々増加する傾向にあります。

  • 寝床に入ってもなかなか寝つけない
  • 夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 十分な睡眠時間を取っているのに疲れが残る

このような睡眠状態や症状がある人は、実は精神的ストレスが原因である可能性が高いです。

不眠により睡眠不足になると、集中力低下や日中の倦怠感・めまいなどの不調を引き起こし、日常生活に支障が出てきます。悪化すると生活習慣病を招くことも…。

そこでこの記事では、なぜストレスが睡眠に悪影響を及ぼすのか、すぐにできる対策方法を分かりやすく解説していきます。

※参考:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」

ストレスで不眠になる理由

ストレス 不眠1

そもそも、なぜストレスは不眠の原因となるのでしょうか。

脳の覚醒中枢の働き

脳の視床下部には覚醒中枢・睡眠中枢という部位があり、この2つが目覚めと眠気をコントロールしています。視床下部から分泌される神経伝達物質「オレキシン」が覚醒中枢に供給される際、量が多いと覚醒中枢が活性化されて目が覚め、少ないと睡眠中枢が活性化されて眠くなるという仕組みです。

覚醒中枢・睡眠中枢がバランス良く働いていると日中は元気に活動でき、夜はきちんと眠くなるものの、あらゆる要因によりこのバランスが崩れると、不眠を含めた睡眠障害を起こしやすくなります。

緊張や不安、恐怖などの強い感情はストレスとなってオレキシンの分泌を促進し、覚醒中枢を活性化させます。すると夜になっても睡眠中枢が働かず、眠れなくなってしまうのです。寝る前に翌日の大事な商談、人間関係の悩みやノルマのことを考えて、眠れなくなった経験がある人もいるのではないでしょうか。

夜は睡眠中枢を活性化させ、眠気を促す必要があるので、仕事から帰ったら仕事のことは考えない、翌日のことは翌日に考えるというように“割り切ること”が大切です。

生真面目なタイプの人ほど勤務時間外でも仕事のことを考えてしまうので、不眠になりやすい傾向があります。

生活リズムの乱れ

生活が不規則な場合も、不眠になりやすいです。起床・就寝時刻や、食事の時間・回数がバラバラな人は要注意。

平日仕事のストレスで気が休まらず不眠気味の人は、休日に解放感から寝溜めしがちですが、平日と週末で起床・就寝時刻が異なると、体内時計が乱れてより不眠につながりやすいので気をつけましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも自律神経を乱し、不眠の原因となります。

自律神経とは、自分の意思と無関係に呼吸や代謝、消化など体の各器官の機能を調整してくれる神経で、交感神経副交感神経の2種類があります。通常交感神経は日中起きて活動しているとき、副交感神経は夜間リラックスしているときに優位になりやすいです。

自律神経が整っているとこの切り替えがうまくできるので、朝はすっきり目覚め、夜はスムーズに入眠できます。しかし、乱れると朝は交感神経が活発にならないために眠くて起きられず、夜は副交感神経が活発にならず寝つけないといった、入眠障害を引き起こします。

脳内でホルモン分泌の指令を出す視床下部は、自律神経のバランスも調整しているため、ホルモンバランスが乱れると自律神経にも影響があるのです。

ストレスによる不眠の改善効果が期待できる主な方法

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それでは、具体的にストレスによる不眠にはどのような対策が有効なのでしょうか。

ストレスの原因を取り除くよう努める

溜まってしまったストレスを解消するのはもちろんですが、まずはその原因を取り除くことが大切です。何が原因でストレスを感じているのかを特定し、それに対する対処法を考え実行しましょう。

例えば、翌日のプレゼンへの不安からストレスを感じている場合、練習を繰り返して自信をつける、質疑応答で聞かれそうなことをいくつか想定して答えを考えておくといったことが有効です。

規則正しい睡眠習慣を作る

毎日の起床・就寝時刻を一定にすることも大切です。習慣化することで身体が起きる時間と寝る時間を覚え、就寝時間には自然と眠くなることが期待できます。

また、平日と週末で起床・就寝時間を変えないのもポイント。休みの日でも早寝早起きを心がけ、一定の睡眠リズムを保ちましょう。

眠れないことを必要以上に気にしない

必要な睡眠時間には個人差があり、加齢や季節によっても変わってきます。

眠れないと「なぜ眠れないんだろう」と考えてしまいがちですが、考えれば考えるほどそれがストレスになり、余計に眠れなくなります。睡眠時間が短いことや、中途覚醒(夜中に目覚めること)の回数について悩みすぎないことが大切です。

どうしても眠れない場合は、音楽を聴いたりしながら、頭と体を休めるようにするといいでしょう。

就寝前に入浴やストレッチを行う

眠気を誘い、スムーズに入眠するためには深部体温(体の内部の温度)を下げることが必要ですが、一旦体温を上げることで、その後体温が下がりやすくなります。

そのため、入浴やストレッチなどの軽い運動で体温を上げるのがおすすめです。寝る直前だと体温が下がりきらないので、就寝1〜2時間前に行いましょう。寝つきが良くなり、深い眠りが取りやすくなります。

激しい運動や熱すぎるお風呂は逆に交感神経を刺激し、目が覚めてしまうので避けましょう。

趣味に打ち込む

趣味を持つことも、ストレス解消にはうってつけです。好きなことに打ち込むことで、ストレスによる不安を一時的に忘れやすくなります。

ストレスが溜まっていることを自覚する前に解消できれば、余計な不安を抱えることもないので、毎日少しずつでも趣味の時間を取るのがおすすめ。

仕事場が合わないなど、根本的なストレスの原因を今すぐ排除することができない場合は、このようにストレスをうまく逃してあげることが大切です。

寝室の環境を整える

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寝室の温度や湿度は一定に保ちましょう。高すぎる(低すぎる)と深部体温が下がりにくく、入眠障害を招きます。ただし、快適に感じる温度や湿度には個人差があり、季節や体調によっても変わってくるので、その時々で自分に合うよう調整してください。

部屋を暗くすることも大切です。明るいところでは交感神経が活発になりやすいほか、光の刺激で眠気を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制されるので、寝つきが悪くなります。就寝前は薄暗くして体を入眠モードに持っていき、就寝後はカーテンをきちんと閉めて、外の光が入らないようにしましょう。

入眠には副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせることが大切なので、アロマを焚いたり、静かなヒーリングミュージックを活用したりするのもいいでしょう。

また、生活習慣や睡眠環境に気を遣っていても、寝具が合っていないことが原因で睡眠障害を招く可能性もあります。枕やマットレスが硬すぎて体が痛み、目が覚めてしまうなどの影響があるので、寝具の硬さ・高さ・素材にもこだわりましょう。

専門医に相談する

生活習慣や睡眠環境を整えても不眠が解消できない場合は、医師に相談するのも1つの手です。

うつ病など、精神疾患の病気や薬の副作用が原因で睡眠障害を起こすことがあるので、心配な方は精神科や心療内科などに行ってみましょう。

不眠外来や睡眠外来といった診療科を持っている病院や、睡眠相談専門のクリニックではさまざまな治療方法が用いられているので、相談することで改善のきっかけを得られるかもしれません。

ストレスによる不眠の改善のため、就寝前に避けるべきこと

ストレスによる不眠を改善するため、特に就寝前に避けるべきことをピックアップしました。あなたも無意識のうちにしていることがあるのではないでしょうか?

スマートフォン、PCの使用

スマホやPCのブルーライトは交感神経を刺激し、脳を覚醒させるため、スムーズな入眠を妨げます。

また、ブルーライトは太陽光にも含まれているので、浴びると脳が昼間だと錯覚し、眠気を促すメラトニンの分泌を抑制します。

できれば就寝3時間前、難しければ少なくとも1時間前にはスマホやPCの画面を見るのを控えましょう。

飲酒

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寝酒を飲むと寝つきは良くなるものの、眠りが浅くなるほか、アルコールの利尿作用により尿意で目が覚めやすく、中途覚醒や早朝覚醒の原因となるのでおすすめしません。

中途覚醒すると目がギラギラして朝まで眠れないことや、個人差はあるものの、眠れてもその後も何回か目が覚めてしまうことがあります。

また、寝酒は適度であれば問題ないと思われがちですが、慣れると同じ量では眠れなくなります。たくさん飲んで睡眠の質が下がり、眠るためにまた量を増やし……という悪循環になるので絶対にやめましょう。

コーヒーや緑茶の摂取

カフェインには覚醒作用があり、摂取後数時間は持続します。そのため、夜にカフェインを摂取すると目が冴えて寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのです。また、利尿作用もあるため、夜中に尿意で目を覚ましやすくなります。

コーヒーや紅茶、緑茶、コーラやエナジードリンクなど、カフェインの含まれる飲料を飲むのは寝る4〜6時間前までにしましょう。これらの飲料は、「夕方以降は飲まない」と覚えておけば分かりやすいですね。

夕食時や喉が渇いたときには麦茶やルイボスティー、ハーブティーなど、ノンカフェインのお茶や白湯を飲むのがおすすめです。

喫煙

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寝る前のタバコも厳禁です。タバコに含まれるニコチンには興奮作用があり、タバコ1本吸っただけでも1〜2時間、興奮状態が持続します。

タバコを吸うとリラックスできると思っている人もいますが、一時的なもので、結果的には寝つきを悪くするので控えましょう。

テレビ観賞や読書

ベッドで読書をする、就寝直前までテレビを観ることもあると思いますが、これもNGです。

寝る前に目や頭を使うことで交感神経が刺激され、脳が興奮状態となってしまい、眠気を妨げます。

寝る前はゆっくり過ごし、寝床では寝るだけにしましょう。

日頃からストレスを溜めない、うまく発散して不眠を解消しよう

現代人は程度の差はあれ、多くの人がストレスにさらされています。

ここまで紹介したように、ストレスは不眠や体調不良の原因となるため、ストレスを解消するのはもちろん、それ以前に溜めこまないよう心がけることが大切です。

また、就寝前に避けるべきことも意識し、スムーズに入眠できる環境も作っていきましょう。

不眠は、今の生活を変えたほうがいいというサインです。ぜひ前向きに捉え、ストレスの原因を減らして良質な睡眠を取り、健康的に毎日を過ごしてください!


星子尚美先生

【監修者】星子尚美
東京女子医科大学医学部、熊本大学医学部大学院卒業。星子クリニック院長。
全人的医療を目指した自由診療のみのクリニックを開業。がん、生活習慣病などの難病に苦しむ患者の治療と予防医学を行っている。
放射線科専門医、日本臨床抗老化医学会認定医、高濃度ビタミン点滴およびキレーション療法専門医、メディカルアロマ専門医などの幅広い資格を取得。
東久邇宮国際文化褒賞授与(予防医学に貢献したなど)。
著書に『「平熱37℃」で病気知らずの体をつくる』『腸のことだけ考える』など。



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